第72回国民体育大会「2017 愛顔つなぐえひめ国体」

団結力の強い埼玉チーム
シニアの背中をジュニアが追う好循環

悪天候により気温17度という寒空のなか幕を開けた今年のえひめ国体。その後天候は一転し、大会3日目からは30度に迫る真夏日を記録。寒暖差10度以上という選手たちにとっては過酷な条件での大会に、体調管理を含めさぞや大変なことであったろうと労いの言葉を送りたいと思います。

埼玉選手団といえば伝統的なチームワークを誇り、一丸となって埼玉陸上を盛り上げていく風習があります。今大会でもそのようなシーンは多々見られ、オリンピアンがジュニアに良きアドバイスを送り記録へと結びつかせるなど、経験や技術のリレーには感銘を受けました。おかげさまでジュニア層のめざましい活躍へとつながり、多くの入賞者を生む結果を打ち出しました。

昨年のオリンピックに続き今年は世界陸上が開催された年。それぞれが反省や課題そしてヒントを得ながら、それを具現化する挑戦の年として存在したようにも思います。
そしてこの国体での手応えをそれぞれが受け止め、来年で確認し、19年の世界陸上、20年の東京オリンピックへとつなげていくことでしょう。そういう意味でもこの国体の存在は大きく、世代の垣根を越えて目標を持ち、トップアスリートならではの境遇を共有できることは非常に有意義であると感じます。

今後も、日本で、世界で活躍できる競技者を輩出するべく、埼玉陸上競技協会は全力で選手育成に尽力して参ります。

えひめ国体 陸上競技監督 大塚 寿 強化委員長

成年男子400m1位 決勝記録46秒08

怪我に泣いたオリンピアンが完全復活で優勝

ウォルシュ・ジュリアン・ジャミィ

昨年、リオ五輪で初の世界大会出場を果たすも、前日の捻挫がたたり結果は奮わず。今年4月の世界リレー選手権では肉離れを発症し棄権。力を残しながらも発揮することなく2大会で涙を飲んだウォルシュ選手。「怪我は完全に治りました。今年は試合に出ることも少なかったので、その悔しさを全部出し切ろうと思いました」と語るだけあり、圧倒的な走りで見事優勝を果たした。しかし本人は「自分の今の調子と結果のタイムがあってなかったので悔しいですね。46.08秒は全然納得いかない」と顔を歪めた。さらに「来年には44秒は必ず出るので、この冬は怪我をせずシーズンに臨みます。もちろんアジア大会は優勝狙っています」と心強い宣言も飛び出した。

所属
東洋大学
自己ベスト
45秒35
少年男子共通5000m競歩5位 決勝記録21分4秒78

レース展開を試行錯誤し見事入賞

長山 達彦

インターハイでは後方集団でのスタートで、うまくレースが作れなかったという反省点があったため、この大会ではトップ集団を意識。しかし気温29度という暑さで体力が奪われペースダウン。最後は粘りの歩きで5位入賞を果たした。「レース展開が課題。後はインターバルなどを積極的に取り入れ体力作りもしっかりやっていきます」と汗を拭った。

所属
埼玉栄高校
自己ベスト
20分26秒20
少年男子Aやり投2位 決勝記録64m24

インターハイの悔しさバネに2位

宮崎 達也

7月のインターハイでは8位。その悔しい思いをバネに助走と投げのタイミングを見直し、フォームの改善まで行ってきた。直前には新井涼平選手から手元のアドバイスをもらうなど入念に準備。「予選では助走スピードが速すぎてしまい、決勝でもう一度調整して投げたら64m出ました。70mをめざし、筋力、体幹をしっかり鍛えていこうと思います」

所属
西武台高校
自己ベスト
65m23
成年女子400m5位 決勝記録55秒63

チャレンジャーの精神で入賞を掴む

松本 聖華

3年生になってから調子が上向き、全日本インカレでは3種目入賞と弾みをつけてきた松本選手。「国体に選ばれたこと自体とても嬉しい。その感謝の気持ちを結果で応えたいと思っていました」と終始笑顔。今後を訊くと「前半のペースが勝負の鍵。このレース展開を克服できればもっと記録がでると思います」と笑顔で目標を見据えた。

所属
駿河台大学
自己ベスト
54秒87
成年男子100m3位 決勝記録10秒35

3位入賞も「中途半端な結果」

竹田 一平

「また3位でした」全日本インカレ他3位が多いと開口一番。準決勝では着順1位を意識するも、最後に流してしまったことを反省し「決勝は狙いにいったんですけど3位。自分の中では消化不良の中途半端な結果です」と悔やむ。次の目標は「来年の日本選手権では当然決勝に残るつもりでいますし、優勝をめざします」と意気込んだ。

所属
中央大学
自己ベスト
10秒27
少年女子B100m7位 決勝記録12秒21

未完成のフォームも「手応え十分」

鈴木 一葉

「スタートダッシュを克服しないと勝てないと思い、新しいスタートを国体に向けて練習してきました」と話す鈴木選手。しかし新スタートを試したのが愛媛入りするわずか2日前。本大会ではレースを重ねる度12秒11、12秒15、12秒21とタイムを落とすも「手応えは十分。次に活かしていきます」と先を見据えた。

所属
埼玉栄高校
自己ベスト
12秒00
成年男子400mハードル2位 決勝記録50秒09

2度目の国体で堂々2位を獲得

前野 景

昨年は結果が出せず苦しんだ。冬からは遂に走り方のフォームを基礎から見直す大工事を行い臨んだ今年。日本選手権で49秒06を打ち出すと、コンスタントに49秒台が出せるようになる。「2度目の国体。1度目は予選敗退でしたが、今回この順位が取れたことは嬉しいです。でも優勝したかった」と悔しさも滲ませた。

所属
ドーム
自己ベスト
49秒06
少年女子A走幅跳8位 決勝記録5m79

「成年と少年ミックス」で得たものがある

小野瀬 桃華

今年のインターハイで決勝に残れなかったリベンジで臨んだ今大会。強い気持ちで挑むも結果8位。「正直悔しいです」と下を向く。この日に向け助走と踏切りを強化してきた。もっと進化したい気持ちの中「成年と少年ミックス」での本大会は「成年男子の先輩にアドバイスをもらえたり刺激になりました」と振り返る。

所属
埼玉栄高校
自己ベスト
5m97
成年女子ハンマー投げ2位 決勝記録60m85

悪天候で手が滑りながらも2位

勝山 眸美

昨年のいわて国体に続き2位。その結果にひと言「記録も、順位もまったく納得いってないですね」と自分への怒りを露わに。降雨により手が滑ったことも一因のようだが「実は投てき方法を3回転から4回転に変えてまだ2〜3年。将来を見据えて取り組んでいきます」と伸びしろを示唆。東京オリンピック期待の一人。

所属
オリエントコーポレーション(オリコ)
自己ベスト
63m82
少年男子A100m7位 決勝記録10秒64

支えてくれた人たちへ恩返しの入賞

佐野 陽

昨年はいわて国体をはじめコンスタントに成績を残してきた最中、突然の怪我に見舞われた佐野選手。出たかった大会を見送り、焦りの色を隠せなくなる。「そんな中、両親や顧問、仲間、チーム、みんなが私を見捨てずに心身共に支えてくれました。今日決勝に立てたこと、そして何とか7位入賞を果たせたことは素直に嬉しいです」と安堵の表情を見せた。

所属
立教新座高校
自己ベスト
10秒46
成年男子800m8位 決勝記録1分51秒51

課題が見えた収穫の大会となった

西久保 達也

8位入賞の感想を訊くも歯切れが悪い。「素直に力がついていないと感じています」とひと言。しかし今シーズンはたくさん考えることがあったようで「800mを走るための余力を残す体力作り、仕掛けたいところで仕掛けられるレース展開など、課題はしっかり見えたと思います」。今後は長距離練習をメインに徹底した体力作りをしていく。

所属
早稲田大学
自己ベスト
1分48秒34